ツアーレポート

野鳥の楽園 知床ねむろ。冬のバードランドツアーレポート

2023年1月末に実施した「野鳥の楽園 知床ねむろ。冬のバードランドツアー」。根室で毎年開催される人気のバードイベント「ねむろバードランドフェスティバル」に合わせる形で、2日間の日程でゲストをご案内してきたので、そのツアーの様子をレポートします。

Day① 根室発着のジャンボタクシープランで野付バードウォッチングを満喫

根室で今回の野鳥ガイドを担当してくれる三成(みなり)さんと合流し、根室中央ハイヤーのジャンボタクシーに乗って北上すること約60分少々。道の駅おだいとうから程近い、春別川河口にやってきた一行です。

メインターゲットはユキホオジロ。野付半島の先端部やここ春別川河口で見られる可能性が高いので、期待に胸を膨らませて向かいます。

思い思いに双眼鏡やスコープを向け、鳥たちの姿を探します。

まずしっかりと目に飛び込んでくるのは、雪上にいるオオハクチョウたちです。寒さの中じっとしているので、その様子をじっくりと観察したり、写真を撮影することができました。

そして優雅に泳ぐウミアイサ。

結果的にユキホオジロに出会うことはできませんでしたが、多くの海鳥や、対岸の遠くの方にハギマシコの姿をしっかり確認することができたので、参加者の満足度は高かった様子です。

【春別川河口】
ハギマシコ、オオハクチョウ、オナガ、マガモ、ホオジロガモ、ウミアイサ、クロガモ

続いてやってきたのは尾岱沼漁港です。(作業中の漁師さんの邪魔にならないよう、また挨拶を交わしてお互い気持ちよくバードウォッチングするようにしましょうね)

ここでもコオリガモやウミアイサなどの海鳥をしっかりと見ることができました。

【尾岱沼漁港】
ウミアイサ、コオリガモ、アビ、オオワシ、オジロワシ、ホオジロガモ、シロカモメ

そして一行は野付半島に入っていきます。まずは北方領土に面したパーキングで位置関係の確認。

クロガモやシノリガモなどの海鳥を見つつ、電柱に止まっているオオワシを見つつ、野付半島ネイチャーセンターに向かいます。

昼食に別海町名物のジャンボホタテバーガーをいただきます。ホタテが入った大きな春巻きをバンズに挟み、自分でお好みのソースをつけて食べる参加型のグルメ。ジョッキに入った別海牛乳を飲み干して元気をつけて午後からのバードウォッチングに臨みます。

午後のスタートは、野付半島ネイチャーセンターの藤井センター長から、野付について、野付のバードウォッチングの魅力についてお話を聞かせていただきました。

帰りがけの内湾沿いにコミミズクが見られるかも…というお話を聞きながら車を走らせていると、本当に見つけることができました!コミミズク!しっかりと枝の上に留まってくれていたのでじっくりと写真撮影することにも成功で、参加者のテンションはうなぎ上りでした。観察後に車を出した後も、並走するように飛んでいた姿が印象的でしたね。

【野付半島】
クロガモ、シノリガモ、コミミズク、オオワシ、オジロワシ、ワシカモメ

根室に到着し、ジャンボタクシープランが終了した後は、夕食は日本最東端のイタリアン『ボスケット』へ。人気のボスケットサラダやピザにパスタ、ワインを飲みながら今日の成果をみんなで話してワイワイ盛り上がります。オオワシやコミミズクを見ることができて参加者一同はみんな大満足のご様子でした。

Day② 風蓮湖氷下待網漁に参加してオオワシとオジロワシに感動!

二日目のメインは、風蓮湖の川口船着場で行われる氷下待網漁体験ツアー。ここのターゲットは漁の後に集まってくるオオワシとオジロワシです。

オオワシとオジロワシがメインと言っても、この伝統的な漁法の見学と一部体験もすごく面白いのでぜひ積極的に参加してほしいです!どうやってこんなに大きな網を氷の下に仕掛けているんだろう…?若手の漁師が極寒の水中に潜っているの?なんて想像を膨らませながら参加します。(正解は実際にツアーに参加してみてのお楽しみに)

獲れた魚の選別作業も見どころ満載です。ワカサギとチカの区別なんて教えてもらっても違いが判らないほどですし、氷下魚(こまい)やおおまい、ごたっぺなどの専門用語?も飛び出してきます。

(教えてもらっても結局わかりません…)

漁が終了した後は、選別して商品にならない魚を狙ってオオワシとオジロワシが一気に集まってきます。最初はカラスやトビが集まってきて、次にオジロワシが間に入ってきて、最後に満を持して?オオワシが来る感じがいいですね。

参加者のみなさんは思い思いに写真を撮ったり、双眼鏡でじっくりとその生態を観察。こんなにも充実してオオワシとオジロワシを見られる場所は他にありません。

冷え切った身体を炭火で温めながら、事前に仕込んでくれていた氷下魚の干物をいただきます。これ、本当においしいので遠慮しないで食べてほしいものナンバーワンです。(僕はコーディネーターのクセに率先して食べるタイプ)

ちょうどいい塩味がやみつきで、魚の旨味が凝縮している氷下魚。しっかりと気を付けて噛めば骨まで残さず食べられます。

ツアーの最後は道の駅スワンのバードパルで特別なランチを。氷下魚の三平汁が本当に身体に染みわたりますね。

【風蓮湖川口船着場】
オオワシ、オジロワシ

 

冬の知床ねむろバードウォッチングの魅力、伝わったでしょうか?
これだけ多くの野鳥を観察できて、グルメも充実したツアーです。ぜひ参加してほしいと思います。

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知床ねむろ観光連盟 事務局長。知床ねむろマガジン編集長。北海道の最果ての地「知床ねむろエリア」で知床ねむろエリアの、そして道東コーディネイターをしています。

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