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旅するかしこ羅臼編 〜『働いて遊ぶ』が叶う町・羅臼町に行ってみた!〜

北海道の最果て、知床半島の東側にある羅臼町。私・かしこが住む釧路市から、車で3時間ほど走ったところにある町です。
羅臼町といえば、釧路市から見ても「一大観光地」という印象を強く持ちます。
特に冬のシーズンはバフンウニをはじめとする海鮮や、海や山に生息する動物たちを目当てに観光客が多く訪ねる、そんなイメージを持っていました。

ですが、今回、私が羅臼町を訪ねたのは観光だけではなく、仕事のためでもあります。
仕事柄道東内での出張は多いですが、打ち合わせが終わり次第日帰りしてしまうことがほとんど。
その土地の奥深いところまで知ることができる、ゆったりとした滞在がしたい……と感じていました。

また、このご時世のこともあり、家で1人こもりきりで仕事をしている時間が長く、日々の仕事環境に閉塞感を覚えていた今日この頃。
普段住み慣れた土地を離れ、新しい町の新しい環境で仕事をしてみる。
パソコンとネット環境さえあればどこでも仕事ができる私にとって、それは「手の届く贅沢」なのでは……!?
そう直感した私は、家を飛び出し遠路はるばる羅臼町にやってきたのでした。

海鮮丼を頬張っている私が、かしこです!

今回は3泊4日、羅臼町ならではの体験を交えながら、最果ての町でワーケーションを体験していきます!

羅臼ならではの元気になれる朝ごはん

羅臼町は人口4500人ほど、知床連山とオホーツク海の間に細長く町を形成しており、山と海、どちらの恵みも存分に楽しむことができる観光地。
よく晴れた日には対岸の北方領土・国後島も見ることができ、日本の端っこにいることを感じられる場所、そこが羅臼町なのです。

羅臼町といえば、まず「世界遺産・知床」の入り口であること、夏や冬にはそのシーズンしか出会うことができない野生動物の宝庫、それから羅臼昆布をはじめとする良質な地元食材が有名。
これらを求め、令和2年度には26万人以上の観光客が訪れた道東の一大観光地です。
羅臼町を語るには、もちろん観光地としての側面も欠かせませんが、そんな羅臼町で働いてみたら、どんな体験ができるのだろう?と、今回の旅を企画したのでした。

そんな羅臼町でまず最初にやってきたのは、「道の駅 知床・らうす」
この中にあるのが「知床食堂」です。
「知床食堂」は朝から開いているので、朝食をいただくのにぴったり。

カウンター席からはオホーツク海、そして天気が良ければ国後島が見えます。

今回いただいたのは、「うにぎり」と「おにぎり(ホッケ)」。お漬物つきなのが嬉しい!

「うにぎり」は塩ウニが混ぜ込まれた米の中に、さらにウニが入っているという豪勢さ!
大きさも大人の拳2つ分ほどで、ボリューム満点です。

「おにぎり(ホッケ)」は程よくしょっぱいホッケを具にしたおにぎり。こちら、なんと150円!
握りたてほかほかのおにぎりが元気をチャージしてくれます。

知床食堂
北海道目梨郡羅臼町本町361-1(道の駅深層館1F・2F)
TEL 0153-87-4460
https://www.shiretoko-syokudo.com/

勇ましく進むクルーズ船で野鳥と出会う

お腹も満たされたところで向かったのは、羅臼観光船乗り場。
ここでは、地元の観光船が雄大な羅臼の海へと連れ出してくれます。
本日お世話になったのは、「知床ネイチャークルーズ」の「Ever Green38」という船。コンパクトな見た目ですが、近くに寄るとその重厚感に圧倒されます。

「知床ネイチャークルーズ」については、以前にもこちらの記事でご紹介させていただきました。
この記事では夏のシャチクルーズのご紹介をいたしましたが、今回は冬の流氷・バードウォッチングを楽しみます!

港を離れ、いざ出発!
予想以上に速い船のスピードに心が躍ります。もうすでに遠くに見える羅臼町の町並み、そして知床連山の形。

海面を泡立たせて10分も走れば、群れからはぐれた流氷の上にオオワシが一頭。物思いに耽るように、オホーツク海の波に揺られています。
一匹狼なオオワシに気を取られていると、あっという間に船の周囲が流氷だらけに!

こんなに間近で流氷を見たことがなかった私、「流氷ブルーってこういうことだったんだ……」と深く納得。
ラムネのような色の鮮やかさ、流氷同士のぶつかり合い、とても不思議な光景で、眺めていてまったく飽きません。

「あ、見て!あそこに鳥がいる!」

遠くに見慣れない鳥がいるのを発見した私は、思わず指をさしてはしゃいでしまいました。
この羅臼旅をコーディネートしてくれた地域おこし協力隊の佐脇星さんが、「あれは羅臼町の鳥であるオジロワシですよ!カントリーサインにもオジロワシのイラストが描かれているんです」と教えてくれました。
尾っぽが白く、流氷のブルーによく映えています。

この時期、知床半島の西側は流氷で埋め尽くされてしまうため、オジロワシやオオワシの越冬地となっているのが羅臼の海。そのため、バードウォッチングをするには最適な場所だそう。
船長の長谷川雄紀さんが「羅臼では冬でもスケトウダラ漁が行われていて、そのおこぼれを狙って、オジロワシやオオワシだけでなく、多くの鳥たちが集まってくるんですよ!」と船客たちにトークを繰り広げます。

船外はビュービューと冷たい風が吹き付けますが、流氷と戯れる鳥たちを眺めていると、不思議と船内に入る気をなくしてしまいます。
1時間ほど羅臼の海を堪能し、船は港へ戻ります。
鳥たちが懸命に暮らす羅臼の海にお邪魔することができ、1時間とは思えない濃厚な時間を過ごしたのでした。

知床ネイチャークルーズ
〒086-1833 北海道目梨郡羅臼町本町27-1(受付)
TEL 0153-87-4001
https://www.e-shiretoko.com/

すべてが主役級!羅臼の海鮮

続いてやってきたのは「濱田商店」。オホーツク海で獲れる海鮮物を多く取り扱っており、店内の食堂では海鮮丼なども楽しめます。

今回体験させていただくのは、海鮮ランチ付きの「ウニ割」。
スーパーなどで綺麗に並べられているウニしか見たことのない私にとって、ウニ割はぜひ体験してみたかったアクティビティの一つです。

まずはエプロンや手袋、キャップを装着し、衛生管理を徹底。
ウニ割体験は濱田商店の工場内で行われます。

工場内に入ると、さっそく桶に入ったウニたちとご対面。
ウニだけではなく、どうやら昆布も入っている様子。

ウニ割をレクチャーしてくださる工場長が、「このバフンウニは、昆布しか食べないんです」と教えてくれました。

「ムラサキウニなどは雑食性なんですが、バフンウニは昆布のみを食べて育ちます。このウニは羅臼昆布だけを食べて育っているので、甘味が強くて絶品なんですよ」

バフンウニがエサとして食べたあとの羅臼昆布は穴が空いてしまってボロボロ!
小さくて静かに見えるウニですが、とっても食欲旺盛で、5枚の歯で勢いよく昆布をかじってしまうのだとか。

割るウニは自分で選ぶことができ、私が選んだのはこの3つ。
工場長曰く、「青っぽくて小ぶりなものが身入りがいいですよ!」とのこと。
しかし、その中身は開けてみないとわからない……!

いざ、ウニ割。

パカッ!

うーん、素人なのでアタリかハズレかわからない……!
工場長に訊いてみると、「そこそこいいですね!」とのこと。幸先がいい!
ちなみに、真ん中にある白いものが歯です。タコのトンビ(口)にも似ていますね。
この調子でどんどん開けていきます。

すべて開け終わったら場所を移動し、ウニの身をかき出す作業に入ります。

ウニスプーンと呼ばれる器具を使い、殻から身を丁寧にゆっくりと外していきます。
とても新鮮なので滅多なことでは身は崩れませんが、緊張を伴う作業。

全部外すとこんな感じ。
ウニはヒトデの仲間で、入っているオレンジ色の身は必ず5個になるのだとか。
逆にいうと1つあたり5個しか採れないので、ウニの高級食材たる所以がよくわかります。

身に混じって浮いているのが、ウニの腸や割れてしまった細かい殻。
ここからさらに、ウニ特有の滑らかな口当たりとまろやかな味わいを実現すべく、これらの余分なものをピンセットで取り除いていきます。

ザルに顔を近づけ、真剣な眼差しで腸や殻などを取り除いていきます。
身を傷つけないように取らなければいけないので、一つ一つ丁寧に。

なかなか身から剥がれず苦労していたウニの腸が取れました。
ここまでくれば、美味しくいただくまであともう少し!

取り出した身を木のお盆に綺麗に盛り付けていきます。
「羅臼町のお母さん方はものすごく速いし、綺麗に盛り付けるプロですよ」と工場長。

自分なりに盛り付けてみた結果がこちら。魚屋さんで綺麗に並んでいるものとは程遠い結果になってしまいましたが、よしとしましょう!
黄色っぽいものやピンクがかったものもありますが、どれも味は絶品です。

佐脇さんと、それぞれのウニを持ってパシャリ。「なんだか子供みたい……」と2人で大事そうに抱えていました。

さて、そんな我が子を持って、今度は海鮮丼作りへ!

ウニだけではなく、サーモンやイカ刺し、いくらなどの海鮮が運ばれてきました。

釧路でもこんな海鮮ランチ、見たことない……!

興奮のあまりしかめ面をしてしまいました。
このウニ割体験の海鮮ランチは、自分で好きなように盛り付けられるところもポイント。
バランスよく配置してもよし、自分の好みの具同士をくっつけてもよし、白いご飯の上にお気に召すままに盛り付けられるのが楽しいですね。

それぞれが思い思いのままにのっけていった結果がこちら。

美的センスは置いておいて、味が格別なのは間違いなし!
早速いただきます!

パクリ。


!?

う、うまい……!!

ブリはとろっとしたあぶらが乗り、サーモンは臭みがなく甘さが際立ち、そして何より口の中でふわふわととろけていくウニの食感……!!
港町・釧路市で生まれ育った私でも、ここまで「全員主役」の海鮮丼は初めて。

そしてこの日、一緒に出していただいた北海道の郷土料理・三平汁。
羅臼昆布からとったやさしい出汁とスケソウダラで作られています。
海鮮丼ももちろん美味しかったけど、この三平汁の素材を活かしたシンプルな味付けにほっと一息。MVPばりの存在感でした。

海鮮丼もぺろっと平げ、幸せいっぱいのランチタイムはこれにて終了!
ごちそうさまでした。

濱田商店の駐車場奥には、オホーツク海をバックに写真が撮れるフォトスポットも。
かなり攻めた位置にソファが置いてあるので、オーシャンビューとともに思い出に残る1枚が撮れますよ!

知床羅臼 濱田商店
北海道目梨郡羅臼町礼文町365-1
TEL 0153-87-3311
https://rausu.co.jp/
(「海鮮ランチ付き!!ウニ割体験」は2〜5月下旬まで。詳しくは濱田商店までお問い合わせください)

世界遺産・知床の入口で気軽にスノーシュー

ランチを終えた昼下がり、やってきたのは「知床羅臼ビジターセンター」

知床国立公園の入口にあるこの施設では、知床の自然や動植物について学ぶことができるほか、スノーシューを貸し出ししているので周辺をトレッキングすることもできるんです。

今回は「間歇泉」コースを散策してみることに。「間歇泉」まではおよそ10分ほどなので、重装備を準備しなくとも気軽に歩くことができます。

気軽に歩くことができると言っても、そこはやはり世界遺産の入り口。少し歩き進めるだけで静かな雪原の中に取り込まれてしまいます。

この知床羅臼ビジターセンター周辺のトレッキングコースの特徴は、小川のそばを歩けること。
穏やかな川の涼やかな音を聴きながら、のんびりと歩く時間は何にも代え難いものです。

ひたすら歩き進めているうちに、「間歇泉」に到着。
全国的にも「間歇泉」は珍しいものとなっており、この「間歇泉」も一時期噴出が途絶えていたのだそう。
その後、幸いにも噴出が再開し、現在も隠れた観光スポットとして紹介されています。

残念ながら今回のトレッキングではその貴重な噴出の瞬間を押さえることはできませんでしたが、「知床羅臼ビジターセンター」では予想噴出時間を教えてくれます。
その時間に合わせて訪ねてみれば、勢いよくあがる熱水を目撃することができるかも!?

さて、「知床羅臼ビジターセンター」の館内に戻り、展示品で知床の自然のお勉強。
この「知床羅臼ビジターセンター」の特徴は、なんと言ってもその剥製の量!
「ここは博物館か!?」と思わされてしまうような数の剥製が、至るところに展示されています。

館内中央にあるのはシャチの全身骨格標本。
数年前に流氷に挟まれて死んでしまったシャチの個体を回収し、長い年月をかけ骨だけにし、天井から吊るすというダイナミックな方法で展示されています。
シャチの生態についてはまだまだ謎の部分も多く、このような展示は非常に貴重なのだとか。
そんな展示を間近で見れるなんて、オトクすぎる……!

剥製や標本には触れずに楽しむことが欠かせないマナーですが、このビジターセンターには触れて楽しむコンテンツも盛りだくさん。
例えばこれ、一体なんだかわかりますか?

正解はエゾシカの冬の毛皮!ゴワゴワしていて、意外と毛がしっかりと手に刺さってきます。
普段は必死に「ぶつかりませんように……」とお祈りしている動物ですが、こうやって手に取ってみるとその生態に興味が湧いてきます。
身近な動物だからこそ、その手触りも含め学んでいくことが大切なんだと気づくことができる展示です。

知床羅臼ビジターセンター
北海道目梨郡羅臼町湯ノ沢町6-27
TEL 0153-87-2828
http://shiretokorausu-vc.env.go.jp/
(天気やコースの状況により、スノーシュー体験は中止となる場合もあります。詳しくはお問い合わせください)

オホーツク海と隣り合わせで働いてみる

たっぷりと羅臼町の食も体験も楽しんだところで、今日からお世話になる宿に到着。
オホーツク海を目の前に構える「知床サライ」に滞在します。

提供:知床サライ

提供:知床サライ

館内は木を基調とした設計になっており、ほっとする温かい空間が広がっています。

ロビーには座り心地の良いソファーと薪ストーブがあり、気を引き締めながら作業したいときにオススメのスペース。
周囲の物音や雑音も気にならないので、人の目があるところで集中したいときにぴったりです。
もちろん館内Wi-Fiも安定しており、リモートワークに困ることはありません。

さて、気になるお部屋はこんな感じ。

提供:知床サライ

提供:知床サライ

オホーツク海を望むことができる窓が一番最初に目に飛び込んできます。
ふかふかで広々と使えるベッドは寝心地が最高……!

部屋の中でも快適な作業が可能。
ホテルの机というと、作業するには狭かったり備品がひしめき合ったりしていて使いづらいこともありますが、スッキリと整頓された作業スペースがなんともありがたい……!
作業の邪魔にならない場所に電源コンセントがついているので、充電も問題ありません。

部屋の備品でありがたかった、紙コップとダージリンティーのアメニティ。
サッと淹れられる手軽さが嬉しい!

2階の共有スペースにも作業場が。

部屋の中にあるテーブルほど広くはありませんが、自然と姿勢が正されるような高いテーブルと椅子が置いてあります。
周囲に誘惑も少ないため、より作業に集中できる空間ができ上がっていました。

知床サライ
北海道目梨郡羅臼町礼文町41−5
TEL 0153-85-8800
https://www.shiretokoserai.com/

羅臼町での「働いて遊ぶ」の選択肢

羅臼町といえば、「世界遺産・知床の町」「一大観光地」、そんなイメージを持っていた私。
そんな羅臼町での旅を通し、「働く」という選択肢も持つことができました。
観光地としての質をとことん追求する羅臼町だからこそ、働きながらもすぐそばの非日常を楽しむことができる。
それを身をもって実感することができた時間でした。
食も遊びも仕事も、どれも疎かにしたくない!
そんなわがままが叶えられる日々を過ごせる町・羅臼町でのワーケーション体験、ぜひ皆さんだけのプランを練って、羅臼町に遊びに来てください。

(文:須藤 か志こ、写真:佐脇 星、土井 明子)

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釧路出身釧路在住。市民団体「クスろ」、一般社団法人ドット道東所属。釧路工業高等専門学校を卒業し、公立はこだて未来大学へ進学、卒業。2020年春に釧路に戻り、ライターとして活動中。

編集チーム | | 他の記事

北海道の東、道東地域を拠点に活動する一般社団法人ドット道東の編集部。道東各地域の高い解像度と情報をベースに企画・コンテンツ制作をおこなう。自社出版プロジェクト・道東のアンオフィシャルガイドブック「.doto」などがある。

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知床ねむろマガジンは「北海道知床ねむろエリアを知って欲しい」という想いで情報を発信しておりますが、新型コロナウィルスの影響下での旅行を必ずしも推奨しているものではありません。マガジンを読んで「知床ねむろエリアにはこんな魅力がある」ということを知り、北海道に想いを馳せていただきたいと考えています。

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