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ジンギスカンと海の幸が一度に楽しめる!地元のおいしさを結集した「知床ジンギスカン そら」

ある日、中標津町をドライブしていると気になるお店を見つけました。看板には「知床ジンギスカン そら」と書かれています。言わずと知れた北海道の名物・ジンギスカンですが、実は地域によって味や食べ方に違いがあります。

生粋の道産子、道東っ子である筆者も「知床ジンギスカン」は聞いたことがありません!どんなジンギスカンが食べられるのか、生まれてこのかた食べ盛りのライター・髙橋が突撃しました。

根室中標津空港に到着。レンタカーでお目当ての店にレッツゴー!

知床の東の玄関口、根室中標津空港に到着。コンパクトな空港は中も外も木がふんだんに使われており、とってもかわいらしく清潔感があふれています。

空港のエントランスに牛の親子を発見!さすが酪農地帯です。

個体識別番号を示す耳標まで付けられていてリアルですね。もし本物の牛を触る機会があったら、酪農家さんの指示のもと、赤丸で示した部分を撫でてみてください。とっても触り心地がいいです。以上、牛豆知識でした。

店内も駐車場も広々。観光の途中に気軽に立ち寄れる

根室中標津空港から車で走ること約10分。国道272号線沿いに「知床ジンギスカン そら」はあります。

地元でも愛されている人気店のため混雑していることもありますが、駐車場が広々としているので待ち時間も車の中で待機でき安心です。

大人な雰囲気のカウンター。家族や友人とはもちろん、大切なパートナーとも訪れたくなる

解放感のあるウッディな店内。落ち着いてランチやディナーを楽しめそうです。

早速オーダー!道東では珍しい○○なジンギスカン

知床塩ジンギスカン肩ロース(左)900円とそら味付け肩ロース(右)900円

案内された席につきメニュー表を開くと、目に飛び込んできたのが「知床塩ジンギスカン肩ロース」という文字。道東のジンギスカンは、薄切りの肉を特製のタレにしっかりと漬け込んであるものが主流です。初めて見る「塩ジンギスカン」、これは頼まない手はないでしょう。

一緒に、一番人気だという「そら味付け肩ロース」もオーダーしました。この2つはそれぞれ食べ方が異なります。

味付け肩ロースの食べ方

味付けジンギスカンは向かって左のジンギスカン鍋で(モデル:宿木雪樹)

山盛りのもやしを端に落とし、脂を鍋肌に塗って準備する

鍋が十分に温まったらお肉をオン。ジュ~っという音とともに立ち上る煙と香りに思わず笑顔が

注文を受けてからタレに付けられる。焼けたら小鉢に入ったタレをつけていただきます

オーダー直後と食べる直前の「タレ2度付け」方式。これも初めての体験です。タレにしっかりと漬け込んだ道東式ジンギスカンよりも、肉の旨みがはっきりとわかる気がします。小鉢に入ったタレは、味付けをしていない肉をそのまま焼くタイプのジンギスカンのタレよりもさっぱりとしていて、もやしにもよく合います。

肉の切り方は厚め。それなのに柔らかく、食べ応えと食べやすさの両方を兼ね備えた稀有なジンギスカンです。

知床塩ジンギスカン肩ロースの食べ方

続いて知床塩ジンギスカンを網焼きで

食欲をそそる鮮やかな色

ジンギスカンから落ちた脂で炎が。おいしい脂をまとっているからこそ

知床塩ジンギスカン肩ロースには2種の薬味がついている。こちらは梅

こちらは赤い柚子こしょう

知床塩羅臼昆布を使った特製のタレで味付けされた塩ジンギスカン。まずはそのままいただきます。

肉の脂に塩と昆布の旨みが溶け込んで、口の中いっぱいに「おいしい!」が広がるのを感じます。用意された2種の薬味はどちらも和のもの。昆布の旨みとの相性も抜群!

梅と一緒にほおばると、酸味が脂っこさを中和してくれます。「これはもしかすると、エンドレスで食べられるジンギスカンではないだろうか」と思い始めたところで、柚子こしょうをトッピングしたほうもパクリ。和の素材ならではの繊細な風味とともに訪れる辛味がたまりません。

焼肉の辛味といえばコチュジャンや唐辛子が一般的ですよね。ここで柚子こしょうを選択するところにこだわりを感じます。この味を求めるリピーターの多さにも納得です。

ジンギスカン店に海鮮丼が!

ジンギスカンだけでなく海鮮丼がメニューに並ぶ。写真はウニイクラ丼(ミニサイズ)1,350円

そしてここにきたら、絶対に食べておきたいのが海鮮の丼ぶりです。うに丼、いくら丼、うにいくら丼と豪華な選択肢の中から、欲張りな筆者はうにいくら丼を注文しました。

一番人気はウニ

ウニの粒はしっかりと形を保っていて、一目で新鮮であることが分かります。大粒のイクラはルビーのような輝きでこちらを誘惑してくるよう。

個人的に「ポイントが高い!」と感じたのが、具とごはんの間に敷き詰められたきざみのりと、ちょこんとのせられた大盛のワサビです。

ウニもイクラも濃厚な食材なので、それらの旨みを消すことなく口の中をさっぱりとさせてくれるのりとワサビがたっぷりなのはうれしいですよね。

ウニはとにかく旨みのかたまり!そしてイクラのプチトロ感!大粒だからこその食感と味です。大好物なこともあり、ジンギスカンの後でも一瞬で食べきれてしまいました。

初体験の味に驚愕。店長においしさの秘訣を聞いてみた

店長の井口健一さん

一つの店舗で海の幸と山の幸を両方楽しめるそらさん。メニューの豊富さもさることながら、独自の味を追及する「食へのあくなき探求心と真摯な姿勢」に感銘を受けました。

お店は始めから今のスタイルだったのでしょうか。店長の井口さんに、オープンからこれまでのお話を伺いました。

井口さん「2006年5月にオープンしてから現在まで、タレも肉質も全く変わっていません。しかし地元では、『ジンギスカンは家で食べるもの』という意識やマトン肉が主流で、生ラム肉は認知されていませんでした。」

「さらに、お店のコンセプトが『お客様もスタッフも皆で楽しく、わざわざ来店して頂けるお店づくり』だったので、あえて町の中心地ではなく、白樺が窓から見える郊外に店を建てました。店内も小窓をあえて作らずフルオープンに。しかし、オープン当時、このスタイルはシャイな地元のお客様にはなかなか受け入れてもらえませんでした。」

「そこから地元の人に愛されるお店を目指して、さまざまな工夫をしてきました。なるべく地場産の食材を使ったり、常連の方にも楽しんでもらえるようにメニューを工夫したり。ジンギスカンの研究もたくさんしましたね。」

どんなときも、厨房に立ち続け店を守ってきた

井口さん「そんなとき、社長が『広告をやめて、その予算をコレに全部注ぎ込む』といって、出してきたのがうに丼です。社長は以前羅臼で漁師をしていたことから、新鮮で質のいい魚介を仕入れることができたんですね。そんな背景があり、うに丼は提供開始以来ずっと“ほとんど利益なし”のサービスメニューです。」

「このうに丼を出し始めたら、急に店の風向きが変わったんですよ。映画の撮影で訪れていた人たちがごはんを食べに来てくれて『今年はいい年だった』とほっと胸をなでおろしていたら、次は全国放送のテレビ出演が決定、さらにミシュランガイドにも掲載され……瞬く間に全国に口コミが広がりました。運に恵まれたことや、お客様に育てて頂いたことが1番力になりました。」

ウニが一躍有名店となるきっかけを作ってくれた

井口さん「観光でこちらにいらした方が、うちのお店でジンギスカンと海の幸を両方味わって、北海道のグルメを一度に堪能してもらえたらうれしいです。それと同時に、地元の方々に、この地域にあるおいしい物をお腹いっぱい食べてもらいたいとも考えています。せっかく地元においしいものがたくさんあるのに、地元の人たちは意外とそれらを食べたことがないんですよね。僕もそうでした。」

「ここに来れば、手ごろな価格でウニやイクラを食べたいときに食べられると思ってもらえたら。お昼にうに丼、いくら丼だけ召し上がる方もいます。お店としては、海の幸、ジンギスカン、どちらをお求めのお客様もウェルカムなんです。」

「数量限定の別海産サフォークもぜひ召し上がっていただきたいメニューです。本当に貴重な別海産サフォークのロースを、毎月1頭分だけ仕入れています。かき入れ時はあっという間になくなってしまう人気メニューです。お店に来たら、お気軽に『別海産サフォークありますか?』と聞いてみてくださいね。」

知床ジンギスカン そら

TEL:0153-73-1100

(※記事掲載金額は2020年10月現在のものです。)

「ここでしか出会えない味」に大満足

旅行先ではそこでしか食べられないものをお腹いっぱい食べたいものです。知床ねむろに来た際は、ぜひ「知床ジンギスカン そら」で家族や友人、パートナーと一緒にこの味を楽しんでください。ここには、北海道の自然の恵みがくれた食のすばらしさを体感できるメニューが集っています。

※知床ジンギスカン そらでは、メニューの一部の地方発送が可能です。通販につきましては、お店に直接メールにてお問い合わせください。

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オホーツク生まれオホーツク育ちのライター。現在は北見市在住。ウニとホタテと鹿肉、そして北海道の夏が好き。

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Uターン移住した北海道札幌市在住のライター・編集者。おいしいものに目がない。趣味は家庭菜園とハーブティー。

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