グルメ

根室旅で絶対に寄りたい。根室らしい食とお酒と人の温かさに触れるバル「どす来い」

旅行と旅。同じようで絶妙に違うニュアンスを含む両者ですが、「旅」にはなんだかノスタルジックというか、一人で放浪するような、大人のイメージを感じさせます。

日本の本土最東端に位置する根室(ねむろ)市は、そんな旅人が目指す場所として人気のエリア。納沙布(のさっぷ)岬で「東の最果てに辿り着いたぞ…!」という余韻に浸ったり、「おちいし岬パス」を歩いて、まるでヨーロッパのような風情を楽しんだり。春国岱(しゅんくにたい)で美しい夕陽を堪能するのもいいですね。

そして一人旅の醍醐味と言えば、「ローカルを感じる」こと。その地域の繁華街に足を運ぶのが一番です。

ホテルにチェックインして、一息ついた後に足を踏み入れたのは、根室の繁華街「広小路商店街」。風情あるアーチと提灯の明かりが素敵です。

通りを歩いていると、ふと目に入ったのがこちら「どす来い(どすこい)」というお店。気になってその場でスマートホンを取り出し公式サイトを見てみると、なんと「日本最東端のスープカレー&バル、どす来いへようこそ!」の文字が!

そして入り口に置いてあるメニューを見ると、すごく気になるメニューの数々。昔ながらの居酒屋も捨てがたいけれど、こんなに洗練されたお店で根室の食材を堪能できるのもいい。「根室産 乙女にんにく」も気になる…。フットパスを歩いてクタクタになっている身からしたら、これ以上は彷徨いたくない…ということで。

「どす来いサイズ」のビールと根室の“地のもの”で乾杯

吸い寄せられるように入った店内。根室は北海道の中でもトップクラスに冷涼な気候が魅力で、真夏でも30℃を超えることは稀です。うだるような暑さが続く猛暑の首都圏や関西圏に住んでいる方こそ、この季節に訪れて欲しい根室ですが、なんとこの日は根室も真夏日!(と言っても28℃くらいかな)

そんな熱気を払うかのように注文したのは「生ビール どす来いサイズ(800ml)」。写真からはなかなか伝わりづらいですが、衝撃の大きさです。

そしてそして、このお通しをよ~~く見てみると…。

花咲ガニ!!

お通しでカニが出てくるだけでもさすがの一言ですが、さすが根室らしく紅白が美しい花咲ガニの登場です。何気なくローカルの食材を楽しめるお店って、旅の想い出として最高ですよね。これはせっかくだから、もっと北海道らしい食材、根室らしいグルメが食べたくなるぞ…!

花咲ガニの特徴はこちらの記事をチェック!
>>「幻のカニ」花咲ガニとイバラガニ、毛ガニとどう違う? 食べくらべてみたよ!

どす来いサイズをしれっとおかわりしつつ、最初に頼むのは「氷下魚(こまい)」。北海道ではメジャーな魚でスーパーにも売られているのですが、お酒のお供として無限に食べられるおつまみ。根室でも風連湖で獲れる魚です。

そして、気になっていた「乙女にんにく」を食べるため、さらに気になっていた「花咲しいたけ」も同時に楽しめる「花咲しいたけと乙女にんにくのアヒージョ」を注文。

これは、抱いていたアヒージョ観が変わるレベル…。普通、アヒージョと言えばキノコとにんにく以外に、エビとか牡蠣とか、海鮮がメインで入っているじゃないですか? でもこのメニューはその名のとおり、しいたけとにんにくが主役。それでいて凄まじい満足感が味わえます。

ちなみに「花咲しいたけ」は、根室の花咲地区で栽培されている小ぶりなしいたけ。その名のとおり、ふわっと花が咲いたようにいい香りが漂ってきます。「乙女にんにく」も根室で生産されているにんにくで、味と香りはしっかり感じられるのに、次の日ににおいが残りにくいにんにくです。

肉料理を注文したら…豪快の一言に尽きる

お酒も入っていい気持ちになり、にんにくのおかげで食欲もとどまることを知らない状況に。ここでがっつり肉が食べたいな…と思って、人気メニューの「どす来いザンギ レギュラー」を注文すると…このボリューム感です。下手したら自分の顔くらいあるぞ!というレベルのザンギ。

ザンギと言えば北海道でいう鳥のから揚げ(定義は諸説あり)なのですが、ザンギも奥が深いよな…と思わせられる一品でした。一瞬クリスマス? と思うほどのサイズなのに、もちろん味もおいしいなんて。ハサミで切り分けていただきましょう。

そして「阿寒ポークの串」もこの大きさ(というか長さ??)なんです。調子に乗って2本頼みましたが、食が細い方は1本でも満足間違いなしの豚串です。日中にフットパスのトレッキングやネイチャークルーズで野鳥観察をして体を酷使した後は、こうやってお酒と肉で体力を回復させるのが間違いなさそうです。

ここまででかなりお腹はいっぱいなのですが、ここ「どす来い」は根室のお魚も美味しいと聞いたので、氷下魚以外にも食べたくなって注文することに。「根室産のお魚料理でおすすめありますか?」と聞くと、「メニューにはありませんが、サクラマスがありますよ!」とのお返事が。

お店の方とのそういうやりとり、旅の醍醐味かもしれません。チェーン店では味わえないその日限定の裏メニュー。しかも間違いなくうまい…。

気になっていた、スコッチウイスキー充実度の謎

お店に入った瞬間から気になっていたのですが、カウンター席には壁一面にずらっと並んだスコッチウイスキーが。しかもアイラモルトの銘柄まであります。こういったお店には珍しいチョイスだな…と思っていたのですが、ちょうど来店されていた常連さんに理由を聞いて驚き、そして納得。

「どす来いには、もともとスコッチのシングルモルト・ウイスキーは置いてなかったんですよ」
TALISKERのグラスを傾けながら、どす来いにスコッチが充実している理由を話してくれる常連さん。

「どす来いで厚岸のカキを使って『カキ祭り』をやることになった際に、スコットランドのアイラ島ではカキにウイスキーを垂らして味わう慣習があるのに、ここにアイラモルトがないというのは寂しいですね……という話をしたら、じゃあ仕入れましょう! となって、アイラモルトを入れてくれたんです」

「でもアイラ島のシングルモルト・ウイスキーって、ものすごくスモーキーなフレーバーが特徴。好き嫌いが分かれることも事実で、特に女性は苦手な方が多い。だからもっと、フルーティなものとかシェリー樽系のものとか入れたらどうですか?なんて言ってるうちに、スコットランドのほぼ全ての地域のウイスキーが棚に並ぶことになったんです」

理由を聞いてみると、根室の地域性を最大限に活かす試みだったことに気づかされます。フットパスなどで体感できる風景も地域で獲れる食材も、どこかスコットランドを感じさせる根室。どす来いを訪れたら、そんな遠くて近い両者の共通項を食とお酒の面から体験することができるんですね。

 

「このお店は何と言っても、接客がフレンドリーで雰囲気が心地よいですね。料理もとても美味しいし、お店が小洒落て清潔なのもありがたいです。それに今まで根室ではほとんど飲むことのできなかったシングルモルトのスコッチウイスキーを入荷してくれたので、ここなら飲むこともできます。この地域はスコットランドに似た、日本離れした最果ての風景が特徴なので、そんな風景に思いを馳せながら飲むのも堪らないですね」

「どす来い」の常連さんがほろ酔い加減で語ったこの言葉に、どす来いの魅力が凝縮されていました。根室の食の粋を堪能しながら、人の温かさにも触れることができる。根室を訪れた際はぜひ行って欲しい、おすすめのお店です。
(そういえばお腹がいっぱいになってスープカレーを食べ損ねたので、次に訪れる際にはぜひ食べたい……)

公式サイト

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知床ねむろ観光連盟 事務局長。知床ねむろマガジン編集長。北海道道東の根室管内(知床ねむろエリア)のコーディネイターをしています。「流氷に乗ってアザラシと一緒に流れてきたのを拾った子」と母に言われて育ちました。

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