コラム

知床ねむろの風景を作品で楽しもう――映画やドラマの知床ねむろシーンを一挙紹介!

こんにちは!知床ねむろマガジンの編集担当、宿木です!
実は知床ねむろマガジンでライターとして記事を書くのは今回が初めて。というのも、どうしても自分で調べたいテーマがあり、珍しく手をあげちゃったんです。

そのテーマとは、こちら。

知床ねむろエリアの風景を、行かずに楽しむ方法ってないの!?

昨今のコロナ禍で、旅行に行くのがなかなか難しいですよね。私自身、このマガジンの編集をしながら知床ねむろエリアを旅したい気持ちが募りつつも、なかなか計画を立てられずもどかしい日々を送っていました。

そんな私が思い至ったのが、「映画や小説に登場する知床ねむろエリアの風景を堪能して、行った気分になれないかな」という試みです。今回は、私が妄想知床ねむろ旅行に使った作品を紹介するとともに、その作品の魅力と登場シーンを解説します。気になった方は、ぜひ作品とともに、知床ねむろエリアの風景を楽しんでみてください。

【映画編】名作で登場する知床ねむろの風景&生活を堪能しよう

まずは映画作品からチェックしていきましょう。さまざまな表情を見せる自然をもつ知床ねむろエリアは、映画の顔として登場することが多いです。今回は、そのなかでも多くの人がピンと来るであろう名作を紹介します。

遙かなる山の呼び声(1980年)

牛飼いの親子と、警察に追われる男のあいだで生まれた絆や愛を描いた『遙かなる山の呼び声』。高倉健さんと倍賞千恵子さんの名演が光る名作です。

舞台は、別海・中標津エリア。酪農がさかんな町の暮らしぶりや、道東の季節の移り変わりが伝わってきます。何より登場人物たちの変化が丁寧に描かれており、言葉が少ないながら感情をひしひしと伝えてくる演技には、たびたび涙がこみ上げました。気兼ねなく泣けるときに観てほしい一作です。

北海道らしい酪農風景が映画の舞台

ゴジラ2000ミレニアム(1999年)

次にご紹介するのは、ゴジラシリーズの一作、『ゴジラ2000ミレニアム』です。

少し話はそれますが、ゴジラ映画作品の一番の見どころって、ゴジラが最初に登場するシーンだと思うのです。全貌がわかるまでの得体のしれない不気味さ、圧倒的パワーを想像させる恐怖……。状況がわからず逃げ惑う人々の描写も、一番映えるのはゴジラ登場シーンですよね。

そんな重要な冒頭シーンに選ばれているのが、なんと根室の納沙布(のさっぷ)岬なんです。納沙布岬は本土最東端にあり、『日本で一番早く朝日が拝める岬』として有名なスポットです。

映画で描かれるのは、暗闇に沈んだ海と根室の港町。ゴジラが破壊する対象として映えるものはないのですが、口元や尾のアップ、車や店舗などを対比させたカメラワークがとても効果的で、ゴジラの存在感が際立っています。とくに赤く染まった空にゴジラのシルエットが浮き立つシーンは必見です!あえて夜の根室を選んだこだわりが感じられますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ゴジラが海から登場した納沙布岬

男はつらいよ 知床慕情編(1987年)

一作目は、日本が誇る名作『男はつらいよ』です。

昭和62年に発表されたシリーズ第38作のメインロケ地として選ばれているのが、知床エリアです。斜里・ウトロの温泉街や、観光地の定番であるオシンコシンの滝など、知床の風景が全編にわたり描かれています。メインビジュアルとしてたびたび印象的に登場する知床岬も絶景ですね!

舞台としてスポットを浴びるメインエリアは斜里・ウトロ方面ですが、知床ねむろエリアのひとつである羅臼もロケ地の一つです。地域の人々との交流や自然の尊さを伝えるシーンもあるので、知床エリアの文化や自然の価値を体感する観点でも魅力的な作品です。

地の果て 知床岬

【テレビドラマ編】北海道といえばこれ!北の国からに登場する知床ねむろ

次に、テレビドラマに登場した知床ねむろエリアを紹介します。北海道×テレビドラマといえば、必ず皆さん思い浮かべるのはきっとこれですね。

北の国から’02 遺言

北海道のイメージを全国に知らしめたと言っても過言ではない、名シリーズ『北の国から』。メイン舞台となる富良野のイメージが強いと思いますが、『北の国から’02 遺言』には羅臼や標津も登場するんです。

時代の流れにのまれ、家族が離散するところから始まる本編。主人公のひとりである純(吉岡秀隆)が拠点とする町が、羅臼です。荒れる海の表情や町の風景も印象的ですが、何より観てほしいイチオシのシーンは、後編に登場する羅臼漁港。ドヴォルザークの『家路』と共に流氷が映し出されるのですが、言葉を失うくらい美しいです。どんなストーリーの先にその風景があらわれるのか、ぜひ本編でチェックしてみてくださいね。

印象的な羅臼港の風景

【MV編】壮大なスケールの風景を音楽とともに楽しもう

次に、ミュージックビデオ(MV)に登場する知床ねむろの風景を紹介します。

SHISHAMO『壊したんだ』

純白の幻想的な世界に、ピアノが一台。大切なひとの喪失を歌ったバラードとぴったりの世界は、野付半島に広がる氷平線で撮影されています。氷平線とは、水平線のように一面に氷が広がる様子を指した言葉で、厳冬期に野付湾の海が凍ることで生まれる風景です。とてもシンプルなMVですが、過去形で語られる歌詞と氷平線が絶妙にマッチして、感動が押し寄せます。

幻想的な景色が広がる氷平線

元ちとせ『ワダツミの木』

同じく野付半島の有名スポットであるトドワラ原生林で撮影されたのが、元ちとせの『ワダツミの木』です。海水による侵食がトド松の立ち枯れにつながり、退廃的な風景が広がるトドワラ原生林。“この世の果て”などの呼び名がつくその風景は、『ワダツミの木』独特の節回しやスケールの壮大さにぴったりです。

独特の哀愁を醸し出すトドワラの立ち枯れ

【小説編】言葉で紡がれる物語から想像する、知床ねむろの歴史

最後に、小説に登場する知床ねむろエリアを紹介します。今回紹介する作品は、いずれも知床ねむろエリアの歴史や、過去の人々の暮らしに思いを馳せることができるものです。

オホーツク老人(著:戸川幸夫)

冬になると漁師が仕事を終え、無人になる知床半島の番屋。ここでは漁網をネズミから守るための猫を飼っているのですが、その猫に冬のあいだ餌をやるために、“留守番さん”と呼ばれる老人だけが残ります。この猫と暮らす老人の冬と人生を描いた作品が、『オホーツク老人』です。

実はこの作品、かの名曲『知床旅情』が生まれたきっかけとなった、映画『地の涯に生きるもの』の原作なんです。これぞ知床、と言いたくなる表現が詰め込まれた作品である一方、猫と老人の孤独な暮らしというエモーショナルな設定も魅力的です。文字だからこそ表現できる“冬”を感じたい方は、ぜひチェックしてみてください。

現在も残る番屋の建物

土に贖う(著:河崎秋子)

土に贖う』は、北海道で暮らしてきた人々の生活と生業をテーマにした短編集です。知床ねむろエリアが登場するのは、2つめの物語、『頸、冷える』。別海エリアの茨散沼(ばらさんとう)周辺が舞台です。

作品は、当時人気を博していたミンクの毛皮製作に携わる人々と、その周辺の生活を描いています。自然保護の観点から、生き物の命を扱う仕事に対する捉え方は大きく変わりました。物語では、当時ある事件から生じた過ちを、主人公が振り返る形で明かしていきます。詳しいあらすじは読んでお楽しみいただきたいのですが、ミンク養殖に携わる人々の生活の様子や方言をありありと想像できる台詞など、言葉から見えてくる風景がとても豊かな作品です。また、道内各地域を舞台にした他作品も読み応えがある一冊なので、北海道で働く人々の歴史に興味がある方におすすめです。

物語の舞台「茨散沼」

この記事の登場地で知床ねむろエリアを制覇できます!

ということで、さまざまな作品に登場する知床ねむろエリアを解説してみました。今回登場した作品をマップにまとめると、下記のようになります。

やった~!作品をめぐる妄想旅行で知床ねむろエリアを制覇したぞ~!

ロケ地や登場シーンを確認しつつ作品を観たり読んだりしていくと、それぞれの地域の温度感や風景の違いを楽しむことができて、とても充実した時間になりました。今回紹介できたのは、ほんの一部です。このほかにも知床ねむろエリアの風景や文化を楽しめる作品はたくさんあります。映画好きな方、読書が好きな方、音楽が好きな方……身近な作品のなかから、ぜひ知床ねむろエリアにまつわるシーンを探してみてください!

編集者 | | 他の記事

Uターン移住した北海道札幌市在住のライター・編集者。おいしいものに目がない。趣味は家庭菜園とハーブティー。

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知床ねむろマガジンは「北海道知床ねむろエリアを知って欲しい」という想いで情報を発信しておりますが、新型コロナウィルスの影響下での旅行を必ずしも推奨しているものではありません。マガジンを読んで「知床ねむろエリアにはこんな魅力がある」ということを知り、北海道に想いを馳せていただきたいと考えています。

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