コラム

神々しい朝焼けの中で自分だけの絶景カフェを。Re:Start 開陽台【Micro Adventure EKARI】

アドベンチャーツーリズム(Adventure Tourism)
「アクティビティ、自然、文化体験の3要素のうち、2つ以上で構成される旅行」と定義される、今世界中で注目されている旅行のテーマだ。

ここ知床ねむろエリアもWildlife AdventureLive Fieldをテーマに、主に欧米豪に向けてアドベンチャーツーリズムのプロモーションを推進してきた。だけどまずは自分たち地域の人間が、一人のアドベンチャートラベラーとして知床ねむろの持つ潜在的な魅力を発掘していくべきじゃないだろうか。そしてさらに、憧れのSUVや洗練されたアウトドアギアとの相乗効果で、高いポテンシャルのフィールドをより一層輝かせていきたい……。

そんな密やかな野望を沸々と滾らせていたところ、二人の仲間が参加してくれることになり、3人の男たちでこの企てを進めることが決まった。

「Micro Adventure EKARI」は、知床ねむろ観光連盟が企画する知床ねむろマガジンのアドベンチャー特集です。知床ねむろエリアに住む人間が中心となって、自分たちが暮らす地域のポテンシャルを再確認するため、ささやかな冒険に出かけます。Jeepレンタルの「トムソーヤレンタカー」、アウトドアギアレンタルの「UB Coffee」の全面的な協力で実施しています。

Jeepに乗って開陽台を目指す

時刻はAM4:00。まだ真っ暗な中、集合する3人。

重い身体を無理やり起こし、眠い目をこすり呆けた頭をなんとか覚醒させ……と言いたいところだけれど、歳を重ねたせいか殊に最近は夜眠るのも早ければ目を覚ますのも早くなってきた。はっきり言ってスマートホンのアラームも必要ないくらい余裕の目覚めだったが、そこは「遠足が楽しみで楽しみで仕方がない小学生」のように、この企みが楽しみで興奮し過ぎた結果だということにしておきたい。

秋の訪れによって空気は澄み渡り、寒さのあまり冬用のフリースを中に着込んだほど。後で知ったのだけれど、この日の最低気温ランキングは弟子屈町川湯に続き、中標津空港周辺は北海道第二位の寒さだったとか。ニュースで「思わずストーブを点けてしまいました」なんて声も。

天を仰ぐと、市街地に集合したにも関わらず満天の星空。開陽台に着くころには空も白み始める時間のはずなので、ここでほんの少しの後悔が押し寄せる。

「集合時間やっぱりAM3:00にすれば良かったな……。そうしたら満天の星空と美しい朝日をダブルで楽しめるアドベンチャーツアーになるのに」そんな会話をしながら、車に乗り込む。

中標津の魅力は、発展した市街地と10分も車を走らせれば酪農景観が広がる、その共存にあると思う。今日の目的地である開陽台を目指し、約15分のドライブで冒険の舞台へ。

今日の相棒は『Jeep Wrangler Unlimited Sahara』。ここ知床ねむろエリアのマイクロアドベンチャーを敢行するのに、これほど似合う車は他にないのではないかと思う。幼い頃に憧れた映画の世界の大冒険そのもの。いくつ歳を重ねても、否応なしにテンションの上がるフォルムをしている。

見渡す限りの地平線や、まるで異世界を連想させる知床ねむろエリアの特異な地形は、どんな荒れ道でも力強く進んでいくJeepとの相性は最高だとつくづく思う。余裕ある大人たちの旅は、その移動手段すらも手を抜かずにかっこつけていきたいものだ。

→ トムソーヤレンタカーでJeepをレンタル

開陽台に着くと、もうこの時点でノスタルジックさが込み上げてくるような、淡く美しい朝焼けが現れ始めていた。

「朝日と共にアウトドアギアでコーヒーを淹れ、絶景カフェを楽しむ」。そんな今日の目的を一瞬忘れかけ、しばし立ち尽くして心を奪われる瞬間。

アウトドアカフェ「UB Coffee」の篠田さんの指示のもと、Barebonesの灯りを頼りに絶景カフェを設営していく。何気なく映っているが、背後に見える山並みは国後島だ。

ラグジュアリーで快適なKermit Chairにゆったりと座り、心躍るアウトドアギアでコーヒーを淹れる。使用するコーヒー豆はこの日のために焙煎してきたという、こだわりよう。

もう少しで太陽が顔を見せる……という直前、この日この時限定の「Kaiyoudai Coffee」が完成。

自然と会話が止まり、美しい開陽台の朝日に魅入られる。なんだろう、体と心に静かに力が沸き上がってくるような、そんな感覚を覚える。

そして何故かコーヒーで乾杯。特別な時間に特別な場所で特別なギアに囲まれて飲むコーヒーの味は、言葉も出ないほどにおいしかった。

そしてカメラが趣味で撮影を担当してくれた第三の男、トムソーヤレンタカー(小野自動車)の小野さんもここでコーヒーブレイク。

開陽台は、早朝にも関わらず多くのカメラマンが詰めかけるくらい、愛好家たちが愛してやまないスポット。この日もたくさんのカメラマンが絶景の朝日を撮影していた。

Re:Startの象徴、開陽台の持つ唯一無二の力

「僕はね、ここ開陽台をRe:Start(リスタート)の場所にしたいと思ってるんです」

篠田さんとの出会いはおよそ2年前に遡る。ほとんど初対面の時にこの話を聞いて以来、ずっとこの言葉が気になっていた。

篠田さん:
「開陽台は中標津に住む人たちにとって、特別な場所。雄大な景観はもちろん、朝日も夕陽も星空も全てが力に溢れている。開陽台という字のニュアンスの意味するところも、陽によって開かれるというポジティブなメッセージを内包しているんです」

佐々木:
「確かにそうですよね、僕は中標津出身ではないけれど、移住して以来、中標津出身の方の言葉の端々に開陽台に対する様々な想いと愛情が溢れているな……と感じていました」

「そんな開陽台を、どうしてリスタートの場所だと考えているんですか?」

篠田さん:
「人間、生きている限り人生の様々な局面で大きな壁にぶち当たると思うんです。本当に辛い想いもするかもしれない。だけど、そんな状況だって自分の行動と選択次第で変えていけるはず。お金持ちと貧しい人の抱えている課題は違うかもしれないけど、例えばこの開陽台に昇る朝日は、誰にでも平等です。どんな人でも自分が行動さえ起こせば、見ることができるものなんです」

「この美しい朝日を見たからといって、簡単に人生が好転するなんてことは言えません。だけど、人生をやり直すこと、リスタートさせるための第一歩にはなると思うんです。辛い状況で身動きが取れなくなっている時こそ、開陽台に行ってみる、朝日を見てみる。そんな小さな一歩から始めてみたらいいんです。その小さな一歩がリスタートに繋がっていく」

「言うなれば自然治癒力を高めてくれるというか……。開陽台はそんな根源的な力を増幅させてくれる、パワースポットなんです。僕も様々な事業を中標津でやっているから、この開陽台から力をもらい、事業を成功させてそれを証明したいんですよ」

力強く語る篠田さんの言葉の端々から、開陽台に対する熱い想いが伝わってくる。コーヒーを飲みながら、いつしか自分だったら開陽台からパワーをもらって何ができるか……そんな思考の渦に飲み込まれて行った。

確かにこの景色とこの時間は、心が洗われる気がするな……。(しみじみ)

中標津産の食材で朝食からパワーを

開陽台の持つパワーを実際に体感し、太陽も昇りきったところで朝食をとることに。中標津産の食材を豪勢に使用し、ここでもUB Coffee提供の洗練されたアウトドアギアで調理する。

アウトドア、キャンプの醍醐味の一つは、その地域の食材を使用し、風景からも食事からもその地域のパワーを吸収することではないだろうか。この日用意したのは、中標津町畜産食品加工研修センターで作られている「AFくらぶポークソーセージ」「AFくらぶしそ入りソーセージ」「AFくらぶゴーダチーズ」と、takeshita farmの「マリボーチーズ」

そしてパンはUB Coffeeで提供されているカンパーニュ。中標津希望農場で作られている小麦粉「春よ恋」を使用している。これもコーヒーの焙煎と同様に、この時のために焼き立てを準備。 UB Coffeeスタッフの気遣いの行き届いたおもてなし力には、いつも本当に頭が下がる想いだ。

男三人、あまり気を遣うことなくナイフで乱雑に切って適当に焼く。それだけでもこんなに絵になるのはギアの底力だと思う。

チーズやウインナーが焦げてきても気にしない。むしろこのくらいカリッカリに焼くことこそが正義だ。

ほんのりとバターを染みこませて焼いたカンパーニュは、カリッカリのチーズをオンして食べると絶品。

そしてなかしべつ牛乳でパワーチャージ。コーヒーに混ぜてカフェオレにしてもおいしい。

絶景カフェに使用したチェアもテーブルも食器も調理器具も、必要なギアはMYSTERY RANCHのバックパックに詰まっている。このワンバックに詰まった憧れのギアたちは、全てUB Coffeeのアウトドアショップでレンタル可能だ。好みや必要性に応じてセレクトしてもらうことができる。

→ UB Coffeeでアウトドアギアをレンタル

酪農景観と雄大な自然を堪能するライトトレッキング

大自然と食の恵みからパワーを吸収し、ギアを撤収したら少し身体を動かすことに。

まずは開陽台展望館に上って、これから歩いていく冒険のフィールドを一望する。視界に広がる地平線と雄大な山並み、遠くに見える街並みと海の広がる景色は、何度見ても圧倒的にすばらしい。

見渡す限りに広がっているのは町営の育成牧場。その草原を横断するように整備された遊歩道を歩いていく。

背後に点在する白黒は、放牧されている乳牛。まさに中標津らしさ溢れる原風景だ。牛たちにだって大変なことはたくさんあるだろうが、人から見たらどこかのんびりしたように見えるその動きと仕草は、多忙な日々を少しだけ反省させてくれる気がする。

散策路の途中には野ウサギの姿が。驚かさないように脇をすり抜けるが、あまりこちらを気にしている様子も見えない。時おり見せる瞳と耳の動きがなければ、誰かが置いた置物に見えなくもない。いずれにしても、普段あまり見ることのできない野生動物の出現に、自分にも運が向いてきているのだろうか……と感じ始めるから不思議だ。

ライトトレッキングとは言いながらも、普段積極的に運動をしていない場合はかなりの運動になる。霜が降りるほど気温が下がった早朝とは対照的に、汗が噴き出すほど気温が上昇してきたようだ。これはこれで心地よいと感じるのだけれど。

育成牧場から道路を挟んだ向かい側には、散策に適した小さな森と小路がある。ふかふかの地面の感触を足裏で楽しみつつ、せせらぎに耳を澄ませ、秋の訪れを全身で感じる。

忘れずに持参した冷たい水で、時おり喉を潤しながら進む。極力ペットボトルは使用しない。小さな小さなアクションだけれど、できる範囲で取り組みたい。

森の小路を一周し、小休止をとったら開陽台展望館を目指して散策路を引き返す。こうして見ると遥か遠くに感じるが、歩ききってみると意外と余裕だったりするから不思議。

そうは言いながらも、やはり昇り階段は膝にこたえる。「健康的に特別な時間を過ごしている自分、なんて贅沢!」という言葉を心の中で自分に言い聞かせながら、上り続けていく。

そしてこの達成感溢れる表情を浮かべる二人。トレッキングはおよそ1時間くらいだろうか。なんて贅沢な一日の始まり。既にこれだけの充実感を味わったのに、普段の日常はこれからだなんて。

「Re:Start 開陽台」は変化のきっかけを生み出す平等な場所

開陽台は、中標津に住む人たちの心の根源的な部分に根付いている特別な場所なんだろうな……という印象を受ける。何か嫌なことがあった時、付き合った時、別れた時、運転免許をとったらとりあえず開陽台を目指す……など。本人が気づいているかどうかを問わず、ここに暮らす人がアイデンティティを感じている特別な場所であることは間違いないと感じる。

UB Coffeeの代表、篠田さんの提唱する「Re:Start 開陽台」。

生きていく上で悩みや課題にぶち当たることは誰もが避けて通ることはできないが、圧倒的に美しい景色を見て心を豊かにすること、そしてそれを活力にしてまた頑張ろう!と動き出すことは誰もが自分の行動一つで選択することができる。

開陽台はいつでもその門戸を開いているし、そこに昇る美しい朝日は誰もが平等に見ることができるのだ。ここ開陽台は、まさにそんな力を呼び起こしてくれるパワースポットなのかもしれない。

そしてこのマイクロアドベンチャーを楽しむ大人たちの遊びは、北海道に、そして道東に住む人たちにこそ体験して欲しい企てだ。こんな時代だからこそ、日常から少しだけ冒険に舵をきること、日常のバランス配分を敢えて変化させることにチャレンジしてみて欲しい。

美しい景色を堪能すること、早起きして日光を体中に浴びること、健康的な朝食をとること。そして少しだけでもいいから健やかに身体を動かし汗をかくことは素晴らしいと、改めて感じる。こんな時だからこそ小さな冒険の全てが心と体に染みわたり、なんだか今後いろいろなことが好転しそうな気さえしてくるから凄い。

「開陽台?別に何もないところだよ~」

中標津出身の方が(多少の謙遜や照れはあるにせよ)、そんな風に話しているのを聞くことがある。「何もない」の定義がそもそも何なのか、何を求めて行くのかによってもちろん意見は分かれるのだろうが、どこに行って何をするにも共通する大事な要素は、「自分が主体的に価値を見出すこと、そしてそのために感性を豊かにすること」なんだろうなと、篠田さんの話を聞いて改めて感じている。

どんなスポットも自分の心持ち次第で大きく表情を変えてくれるし、自分の場合はJeepや憧れのアウトドアギアを使うだけでもその価値と充足度は倍増する。

「Micro Adventure EKARI」は、そんな見なれた地元が潜在的に持つ魅力を改めて可視化する、第一歩にしたい。

さぁ、54歳と52歳と37歳で次はどこに行こうか?

Jeepやギアをレンタルして小さな冒険に旅立とう!


>> トムソーヤレンタカー(小野自動車)で憧れのJeepをレンタルする


>> UB Coffeeで憧れのアウトドアギアをレンタルする

中標津産食材はふるさと納税でもゲットできます

>> AFくらぶゴーダチーズを含むセットにふるさと納税する

>> takeshita farm マリボーチーズを含むセットにふるさと納税する

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知床ねむろ観光連盟 事務局長。知床ねむろマガジン編集長。北海道道東の根室管内(知床ねむろエリア)のコーディネイターをしています。「流氷に乗ってアザラシと一緒に流れてきたのを拾った子」と母に言われて育ちました。

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知床ねむろマガジンは「北海道知床ねむろエリアを知って欲しい」という想いで情報を発信しておりますが、新型コロナウィルスの影響下での旅行を必ずしも推奨しているものではありません。マガジンを読んで「知床ねむろエリアにはこんな魅力がある」ということを知り、北海道に想いを馳せていただきたいと考えています。

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