根室のイメージと言えば、多くの方は納沙布岬、花咲ガニ、サンマ……など、豊富な海産物や港町の風景を想像するかもしれません。でも実は根室は、酪農も盛んな地域なんです。
広大な酪農地帯が広がる中標津・別海から車を走らせ、根室市に入ってすぐに辿り着く「明郷(あけさと)地区」。ここに根室の酪農や農村景観を満喫できる、素敵なスポットがあります。
まるでこのエリア一帯が一つの村のような、統一されたイメージで建てられている景色は、初見でここが牧場だとは思わないほど。「明郷 伊藤☆牧場」「Akesato Ito Farm」の看板が無ければ、そうとは気付かずに足を踏み入れてしまいそうな、そんな可愛らしく洗練された建物が立ち並びます。
敷地内にはレストランや雑貨ショップの他にも、遊具やキャンプ場も併設。まさに夏休みに家族で訪れ、ゆったりと流れる時間に身を委ねていたい。そんな場所です。
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「レストランATTOKO」で短角和牛を堪能
敷地内のある「レストランATTOKO」で絶対に食べて行きたいグルメは「明郷短角和牛」。根室市に限らず、肉よりもどちらかというと魚介類(カニや海鮮丼)のイメージが強い知床ねむろエリアですが、実は地場産のブランド牛があります。しかもかなり極上の和牛が…。
明郷短角和牛は、根室の海霧が運んでくるミネラル豊富な牧草を食べて育った、うま味のある赤みが特徴の和牛です。と言うことは、やはり豊かな海産資源も無関係ではないのでしょうか、見てくださいこの滴るようなしずる感。これは間違いなくおいしいステーキですね!
切り口を見せられなくて残念ですが、焼き加減はミディアム・レア。絶妙の状態で出してくれるので、ナイフとフォークが止まらないくらい。200gなんてあっという間にも感じます。ちなみに、メニューにはサーロインの他にもリブステーキとサイコロステーキがあります。
もう一つおすすめしたい(と言うか個人的に大好きなだけですが)のが、ビーフシチューです。じっくりことこと煮込んだシチューって、幸せを感じるなって思いませんか? もちろんステーキを豪快に喰らうというのも満たされるひと時なのは間違いありませんが、なんだか心にじわっと沁みるようなビーフシチューの優しさも、ステーキとはまた対局の幸福感を得られるというか。
ほろっと崩れる牛肉の柔らかさも、その幸福感にさらに拍車をかける気がします。
店内に併設されたショップコーナーには、本当にたくさんの根室&周辺地域のグルメが販売されています。幸せ感じるビーフシチューの他にも、同じく明郷短角和牛を使用したビーフカレーや牛すじカレーも。
根室×小樽がタッグを組んで生まれた「HOKKAI CAN」シリーズも、その洗練されたブランドイメージが目を引きます。根室の特産品のサンマやイワシを加工した缶詰ですが、高級感溢れるその見た目からお土産に最適。
根室や浜中で作られているチーズも販売されています。特に根室の「チーズ工房チカプ」はその美味しさはもちろんのこと、パッケージの可愛さも魅力。シマエナガやシマフクロウが描かれたパッケージは、「HOKKAI CAN」と合わせて根室のお土産として喜ばれること間違いなしです。(もちろんご自宅用としても最高です!)
ソフトクリームや軽食なら「酪農喫茶GrssyHil」で
食後はお腹休めがてら敷地散策してみましょう。そして牧場特有のゆったりとした時間と爽やかな風を楽しんだら、次は「酪農喫茶GrssyHil」に入ります。
店内には豊富なテイクアウトメニューの数々。ソフトクリーム、シェイク、パフェなどのスイーツがありますが、ここは定番のソフトクリームをチョイス。せっかくなので牧場の新鮮な牛乳の風味を楽しむため、通常のミルク味にします。
あっさりとして、爽やかな風味が口いっぱいに広がります。過剰な甘みのない新鮮なミルクの味は、さすが北海道の牧場ソフトクリームならでは!
そして軽食メニューでは「こだわりすぎホットドッグ」がどうしても気になる…。そして今日のスープも気になる…。
ホットドッグのフランスパンに使用する原料は、中標津産の「希望農場ハルヨコイ」。ウインナーも北海道産の豚肉を使っているとのこと。確かにこれは「こだわりすぎ」かもしれません。テイクアウトの軽食というか、メインになっちゃうホットドッグでした。一緒に注文したスープも素材の味が強くておいしい。
併設の「ちいさな雑貨屋Étable」で牛グッズを探す
「酪農喫茶GrssyHil」に併設されている「ちいさな雑貨屋Étable」には、牧場の雑貨屋らしく、たくさんの牛グッズが並びます。タオルに人形にマグカップなどなど。レストランやカフェで牧場の素晴らしさを満喫した後なら特に財布の紐がゆるくなってしまいそう。
明郷 伊藤☆牧場を拠点にして楽しめるアクティビティ「根室フットパス」のマップや、熊よけグッズなども販売されています。
さらに、根室&周辺地域の食材を使用したお土産も豊富に並びます。ドライブ旅で訪れた方々には、鮭すてぃっくやエゾシカジャーキーなど手が汚れづらいお土産がおすすめ。噛み応えもあるので、眠気も覚めますしね!
明郷 伊藤☆牧場で酪農の素晴らしさを五感で感じよう!
こうして改めて見てみると、港町の色濃いエリアと酪農景観のエリアが同居する根室の魅力って、素晴らしいなと感じます。納沙布岬を目指す途中、たんちょう釧路空港からも根室中標津空港から行く場合もアクセスしやすい場所にありますので、根室の酪農景観を満喫しにぜひ訪れてみてください。
明郷 伊藤☆牧場を満喫した後は、「根室フットパス」「知床ねむろ・北太平洋シーニックバイウェイ」を楽しもう!
>> 開拓の歴史と酪農の原風景を感じるトレッキング。厚床パス・別当賀パスを歩く
知床ねむろ観光連盟 事務局長。知床ねむろマガジン編集長。北海道の最果ての地「知床ねむろエリア」で知床ねむろエリアの、そして道東コーディネイターをしています。
「知床ねむろマガジン」編集部。知床ねむろエリアが持つ潜在的な魅力を掘り起こし、お伝えしています。